「孫ができたよ」聞いて、いつ産まれるのかと待ちわびていた最中、急に娘から死産や流産の連絡。

この時あなたには、次の2つの悲しみが、襲いかかると思います。

  1. ご自身が、孫を亡くされた悲しみ
  2. 孫を亡くした娘(自分の子)が、悲しむ姿を見ること

娘が死産した場合、ご自身がとても辛いと思いますが「娘をなぐめなければならない」と考えてしまい、あなたが抱える悲しみを、娘の前で優先することはできないものです。

今回は、娘(子ども)から死産や流産の連絡があったとき、どのような対応をすべきか考えていきたいと思います。

娘が死産したら押えておくべき3つのこと

1. へたな慰めは逆効果。死産後(娘の)感情の変化について

死産や流産をした後すぐに前向きになれる人はほとんどいません。

死産、流産を経験後、多くのママが、

「自分の生活スタイルが悪かったのではないか」
「食べ物の栄養が足りなかったのではないか」
「睡眠時間はどうだったか」など

自分を責めてしまいます。

時間が空いた時などは、流産や死産したことを考えてしまい余計に落ち込むかもしれません。

赤ちゃん(胎児)を亡くした喪失感から無気力になり、何もやる気が起きなくなってしまうこともあります。

そんな時に「大丈夫だよ」「元気出して」といった励ましや慰めの言葉は逆効果です。

多くの場合「大丈夫な訳がない」「元気が出るわけない」と思ってしまいます。

もちろん、励ましが自分のことを心配して言ってくれていると分かっています。しかし素直に受け取ることができません。

自分では感情のコントロールができない状態なのです。

特に親にはつい甘える気持ちが出てしまい「私の気持ちなんて本当には理解できない」「ほっといて」となります。

さらに、心配してくれているのに、心無いことを言ってしまう自分が嫌になり、さらに落ち込むということもあります。

2. 話を聞くことの重要性

お腹の「赤ちゃんのことを忘れたい人」、「赤ちゃんがいたことを忘れたくない人」など考え方は人それぞれです。

小さい頃から、娘を育ててきたご両親であれば「娘のことなら理解できる」と思っている方も多いと思います。

しかしこの時ばかりは、あなたの「娘」であっても、なかなか感情を理解できないものです。

なので、あなたの判断で、「娘はこう考えている」と決めつけず、何かしてほしいことはないか、丁寧に「聞く」ということをするとよいでしょう。

また、娘が「どういう気持ち」で「どうしてほしいのか」をしっかりと聞くことは、娘の悲しみを和らげることにもつながります。

3. 赤ちゃんの存在を認めてほしい娘(胎児のママ)

特に流産や死産を経験して間もない頃は「感情が不安定」で、いつもとは様子が違います。

不安定な感情の時は、理解しようと思っても理解できないことが多いのです。

ご両親の立場では、死産や流産について全く触れない方が良いと考えるかもしれません。

何もなかったかのように、赤ちゃんの服やベビーグッズを隠したりするなど無理に忘れさせようとして行動を起こしたり・・。

しかし、死産を経験したママたちの多くは、赤ちゃんの存在を『ないもの』にしたくありません。

お腹にいた赤ちゃんのことを「語りたい」と思う方が圧倒的に多いのです。

ただ、そうは言っても無理に話題に挙げることは不自然ですので注意が必要です。

娘が何か話したい様子であれば、その時はしっかりと話を聞いてあげましょう。

死産した娘の対応について

良い例

  • 普段通りに接し、娘が話しやすい雰囲気を作る。
  • 娘が何か話しだしたら、しっかりと聞いてあげる。

特に話を聞くときは、途中で口をはさむのではなく、とにかく相槌を打って最後まで話をさせてあげることが理想です。

話したからない場合も、「話したいことがあったらいつでも聞くからね。」という声かけは心に響きます。

悪い例 

  • 「早く忘れて次の子に備えなさい」
  • 「運が悪かっただけだよ」
  • 本人が希望していないのに無理に旅行に連れていく。(旅行先で赤ちゃんを見ると辛くなる)

娘(ママ)の心は非常にデリケートです。

普段は、なんてないことも、今は敏感になっているので、些細なことでも深く傷つけることもあります。

上記のことを踏まえ、娘さんがどうしたいかを優先するとよいでしょう。

一番すべきは暖かく見守ってあげること

娘さんにとって暖かく見守ってくれる両親の存在が一番の心の拠り所です。

早く立ち直って欲しいという気持ちがあっても

「いつかは元のように元気になれる日が来る」と思い無理に何かをするわけではなく、見守ってあげることが一番なのです。

特別に語らなくても「そばにいてあげる」ことはとても心強いです。

なにも言葉を交わさないにしても、親の存在は大きなものです。またママ(娘)は、「味方いる」ことだけで、きっと心強いと感じるでしょう。

さいごに

娘さんの気持ちがどうしたいかを優先することがとても大切です。

「こうしてあげたら前向きになれるかな?」「こうしたら赤ちゃんのことを忘れられるかな?」など考えて行動を取ると不自然になりがちです。

感情が不安定な時に不自然な行動を取られると、かえって感情を逆なですることにつながってしまいます。

落ち込む姿を親に見せるということは、素直に自分の感情を出せている証拠でもあります。

焦らずにゆっくりと見守ってあげてください。