なぜ私なんだろう

あなたの頭の中で、なんども、なんども考えてしまうのではないでしょうか。
これは、悲しいお産を経験した誰もが思うことです。

周りを見ても、みんな何も不自由もなく赤ちゃんが、生まれくる
妊娠すると、無事に赤ちゃんが生まれてくるのが当たり前のこと

あなたが、病院にいるとしたら、喜びの声や赤ちゃんの泣き声が聞こえてくるかもしれません。
この赤ちゃんの泣き声が一層あなたを苦しめます。
とても幸せな病院が不幸な病院に。

他人の幸せを、こんなにも受け入れられいでいる自分がいる。

でも、それが普通です。いまの精神状態で、他人の赤ちゃんが”かわいい”と思えるほうが、普通ではないので安心してください。

なんで私だけ・・

こんな不幸なことはない・・

しかし、現実は残酷で、こんな絶望の最中、現実はこれからも大変です。
それは世間では一大イベントといわれる、出産と葬儀の両方が控えております。

ここからは、死産と診断されたとき、最低限知っておきたいことについてに案内します。

死産と流産の確率

死産とは、産後12週以降におなかのなかで、赤ちゃん(胎児)をなくしことをいいます。
また流産とは、それ以前におなかのなかで、赤ちゃん(胎児)をなくしたことをいいます。
死産と流産、生まれてすぐに赤ちゃんがなくなる新生児死亡には、今後の手続きが異なります。

死産の確率 

 確率的には、2017年の厚労省のデータによると、12週以降のおなかの中のあかちゃん(死産)と生まれてすぐなくなる赤ちゃん(生後4週未満)をあわせると2017年は、年間21,190人、割合として2.1%、実に50人に1人の割合で起こっています。

年々減少傾向ですが、現実的にこんなにも悲しいお産をしている人がいます。

死産の原因 

死産した直後は、一般的には原因がわからないことが多いです。

それでも、死産したことについて、疑問に思っていることは、遠慮せず産科医に聞いてください。ほとんどのお医者さんは、わかる範囲、可能性のある範囲で教えてくれます。
その時は、難しいと思いますが、知らないうちに感情的になることが多いので、気をつけてください。また、聞きづらいのであれば、家族と一緒に聞いてみるといいです。

死産したときの今後について

死産と診断された後、出産、入院、分娩を行います。
基本は、出産して1日〜2日入院して退院という流れになります。(帝王切開の場合は、約一週間)
日帰り出産は、あまり聞きませんが、病院の考え方によっては、日帰りということもあり得ます。
最初に病院で、説明を受けると思いますが、説明がない場合は、事前に退院までの流れを聞くとよいです。

 とても不安だと思いますので、気になるところ、ひっかかる点などあれば
 正直にお医者さんや看護師さんなどに納得のいく説明を受けてください。

分娩について

人工的に陣痛を起こす以外は、ほぼ普通出産と変わりません。
陣痛の起こし方は、飲み薬や注射で行います。また子宮口が開いてない場合は、ラミナリアやバルーンを子宮にいれる処置をします。

出産のため、普通の出産と同じように、苦しいことが多く、大変です。 
赤ちゃんが、おなかの中から出られるようになったら破水させ、いきんで赤ちゃんを産み胎盤を出します。

正直、生まれてくる赤ちゃんは泣かないので、なかなか頑張れないのが本音です。


こんなに悲しい出産はありません。
それでも、赤ちゃんが生まれてきたら、ぜひ抱っこしてあげてください。
まちがいなく、かわいいですので。 

また、分娩ではなく、帝王切開ということもあります。
ただ帝王切開する場合は、緊急時に行われることが一般的です。

帝王切開も普通の出産と同じで、開腹後は、痛みがしばらく続きます。

緊急時の帝王切開と通常の帝王切開との違いは、開腹するときの傷が、通常(目立たないよう)横に切るのですが、緊急時は、(時間をかけず赤ちゃんを取り出しやすい)縦に切ることが多いのも特徴です。

赤ちゃんとお別れ 火葬

出産後、赤ちゃんとお別れしないといけません。
できることであれば、死産したことを聞いたら、早い段階で葬儀社を選ぶことをおすすめします。

あかちゃんの葬儀

死産の場合、火葬のみ行うということがほとんどです。
一般的なお葬式(お通夜・葬儀)をするのは、ごく稀です。
 
どうしてもあなたが、一般的なお通夜・お葬式をしたいと希望するのであれば、望むようにするべきだと思います。
ただしあなたが、望む場合のみにしてください。
親御さんや葬儀屋などが、勧めるからと言ってするべきではありません。 

また、火葬まで赤ちゃんを葬儀屋へ預けて、当日面会ということもおすすめできません。

儀式としてお通夜お葬式をしなくても、赤ちゃんと一緒に過ごすことはかけがえのない時間になります。
できるなら、赤ちゃんを家に連れて帰ってあげることをしてみてはいかがでしょうか。 

赤ちゃんの供養(水子供養)について

結論から言うと、供養に関しては、夫婦で出した答えが正解です。

もともと「供養」とは、わが子の冥福を祈ること。
赤ちゃんの供養であれば、赤ちゃんの死後の幸福を祈る、すべての行いことを指します。
つまり、赤ちゃんの事を大切に思う「気持ちこそ一番の供養」といえます。
 
色々心配されている方もいると思いますが、多くの方は、赤ちゃんを火葬した後に、どうしたいのかを夫婦で考えるケースがほとんどです。

供養の例
・お寺や寺院で僧侶の読経による供養。
・先祖代々のお墓に収骨する
・手元供養として自宅で一緒に暮らす
・お骨の一部をペンダントなどにして肌身離さず、携帯する。
 
あなたが、考える供養が一番正しいです。

 
注意が必要なのが、外野の意見に流されないということです。
ご自身もしくは義理の両親が、「供養をしなければならない。」「早く納骨しないと赤ちゃんがかわいそう」などと、言われたらことに対し、自分の意に反して行動してしまうことです。

個人的な意見ですが、人生を何十年も生きて亡くなった時の常識と
かわいいわが子が生まれてまもなく亡くなったのとは、違って当然だと考えます。

あなたの赤ちゃんを思う気持ち以上の供養はありませんので、宗教的な供養は、焦らず納得のいく状態で行動することが一番です。

とはいっても、参考までに多くの方の供養の方法を記します。

【一般的な流れ】
 火葬後、自宅にて手元供養 
     ↓
 あなたの気持ちが落ち着いてきて初めて供養を考える
     ↓
 水子供養をしている神社や寺院で僧侶による供養
     ↓
 供養を依頼した神社や寺院に収骨
 自宅にて手元供養
 先祖代々のお墓(菩薩寺)に収骨 
    
現実的な赤ちゃんの供養は、お母さまの気持ちが落ち着いたとき、もしくは気持ちの整理をつけたいということで行動される方が多いように感じます。
 
供養に期限も決まりもありません。供養に遅いということはないです。
当初考えていたことと考えが変わることもあるでしょう。  

供養することが大事だという人がいますし、宗教的な供養はせず、手元供養としてそばに一緒にいることが大事という人もいます。 
 

赤ちゃんのためにできること

これから、赤ちゃんとお別れをしないあなたへ
まだ赤ちゃんのためにできることはあります。それは「忘れないこと」です。
そのために、思い出の品を残したり、抱っこしたり、写真をとったり思い出を残してください。 
きっと後から役立ちます。

また、思い出を残せなかった方も、思い出がないからと言ってあかちゃん存在をなくさないようにしてあげてください。
赤ちゃんを想う気持ちが一番です。
 
これから、どんな形であっても、あなたのおなかの中で、生きていた子どもは、 ずっと、これからもあなたの赤ちゃんですし、あなたの心の中では生きていくでしょう。
  

最後に

あるがままでいてください

泣くことをよそうと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。  赤ちゃんのことを想うからこそ、いっぱい泣けるのです。

たまに、赤ちゃんが亡くなったから、自分は楽しいことをしてはいけないと思う方もいますが、そんなことはありません。
楽しい時は楽しんでいいのです。

夫婦は、多少の気持ちのずれや考え方の違いがあったとしても、できるだけ、思いやりをもって大切に接してください

赤ちゃんの代わりに、いっぱい泣いてください。